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離職・退職に係る事例

企業の人事担当者は、新型コロナウイルスの関係で人員調整に搬送されていると思いますが、産業医として離職直前の従業員と何度も面談した視点やコンサルティング会社や出版社の担当者とのインタビュー等を元に、現状の共有をさせていただきます。


◎比較的適切な離職直前の産業医面談

 本人から直接話が聴けた訳ではありませんが、時系列的に離職を想定して産業医面談に臨まれている方々が複数人いらっしゃいました。その方々が体調不良を訴えられている場合のスキームが共通していましたので、共有します。

 メンタル疾患や呼吸器疾患を理由に、体調不良を訴えられ、主治医も診断書で休養や著しい就業制限の意見を示す従業員がいました。産業医としては、診断書に示されている程の悪化した状態で無いと評価しつつ、通常の労働衛生のスキームに乗せて対応をおこないました。

 事実に基づいて、主治医意見と現場実態の相違点を主治医と共有した際に、主治医の意見が容易に変更され、「(前述の制限を要するほど)体調は悪くないが、本人の意見に基づいて適切に対応してください。」旨の意見が示されました。産業医は、従業員自身から、仕事に前向きな発言を傾聴し支援することで、適正配置に努めるのですが、その後、数週間程度で、「先生にはお世話になりました。会社を辞めます。」と言われました。

 このパターンの方々の理由は以下の様な点が想定されます。産業医として汲み上げられる場合は、適切に支援を行いますが、部下の方々の支援にご活用下さい。

・達成感がない業務により悪いストレスが増大し、離職を決めることで体調が改善する。

・離職の理由が疾病である場合、特定理由離職者になることが見込まれる。

・企業の引き止めを避けるために、疾病を理由とする。 等


退職交渉支援のコンサルタント会社

 コンサルティング会社や出版社の担当者とのインタビューによると、ヘッドハンターやそれを利用している企業が、作業と管理ができ、一定の職歴と実績がある方に付ける年収は3,000万円程度になっているそうです。それだけの高額が動くことから、関連する事業が生まれ、退職交渉支援のコンサルティング会社ができています。

 方法としては、①退職に関する法令、②退職届を示してから2週間の注意点、③退職やヘッドハンティング後で動くキャッシュの運用等に関する教育を行い、特に②に関しては、退職予定者が作成した資料の量を膨らませる支援(場合によっては数百ページ)も行っているようです。この資料を元に「2週間有給休暇を取得しますけど、引き継ぎ内容は全てまとめたので、不明な点があれば連絡下さい。」と説明するように教育していいるようです。これにより、引き継ぎを受ける担当者が資料を確認している間に2週間が経過し、スムーズに退職できるという仕組みだそうです。


退職請負の不誠実産業医

産業医には、平成31年3月31日までは合法であった退職請負を専門としている産業医がいました。方法としては、労働者の無知につけ込んで、記録に残らない形で口頭で誘導して、退職につなげるというものでした。主治医からの情報発信について、「配慮するべき」との表現を逆手に使い、具体的な事実確認をせずに定性的に「配慮できない」と説明し退職にもちこむようです。もちろん、記録にはその点の詳細は示さず、「本人理解の上、退職」と記録します。

 もし、裁判になったとしても、平成31年3月31日までは、産業医に誠実義務が課されていなかったため、産業医は常勝できました。

 今では、産業医に誠実義務が課せられており、退職に関係する面談で労働者が録音を行っていることは多いです。証拠がある状態で、産業医の違法性を理由に、退職無効等を求め産業医事業者を訴えてくる可能性があります。


◎まとめ

産業医を行っていれば、退職せずに元気に復帰する人、やむを得ず退職する人と様々な事例を経験します。その中で、不誠実な産業医報酬を払い、さらにトラブル対応に費用を支払う二重取りされている事業者も多く見ました。

 クライアントの身体的・精神的・社会的健康を不誠実に奪う医師は、医道審議会にかけられるべき者です。そのような医師に関わらないように気をつけましょう。


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