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新型コロナウイルスから考えるリスクアセスメントと予防

企業の健康リスクと個人の健康リスクの両側から見ていきます。

◎個人の健康リスクに関する整理

 健康リスクは、『発生の可能性』と『疾病がもたらす重大性』の2軸に分けることができます。

 発生の可能性については、『疫学的な確率』又は『定められた予防対策と注意の要否』で整理することができます。疫学的な確率は重要ですが、現場では、次の4つで分けると整理がしやすいです。

極高:定められた予防対策が十分にされていないため、特に注意を要する場合

高:定められた予防対策がされているが、十分に注意しても発生するおそれがある場合

中:定められた以上の予防対策がされているが、発生するおそれがある場合

低:適切な予防対策により、特に注意しなくとも発生するおそれがない場合

 疾病がもたらす重大性については、例えば、致死的を最大として、加療を要する場合、その他軽傷の順で低下していきます。

 この2軸を掛けた面積が、リスクになります。予防対策としては、マスク・うがい等の一次予防、体調不良時に早期休養をとる等の二次予防、症状が認められた際に医療機関等の指示に従う三次予防といった対策で、リスクの面積を小さくすることが重要です。


◎企業の健康リスクに関する整理

 リスクの考え方は、個人と同じですが、その中身は大きく異なります。

 発生の可能性については、定められた予防対策と注意の要否に基づき次の様に整理できます。

極高:法令に基づく安全衛生対策が十分にされていないため、特に注意を要する場合

高:法令に基づく安全衛生対策がされているが、十分に注意しても発生するおそれがある場合

中:法令以上の安全衛生対策がされているが、発生するおそれがある場合

低:適切な安全衛生対策により、特に注意しなくとも発生するおそれがない場合

 疾病がもたらす重大性については、上場企業「新型コロナウイルス影響」調査(2月21日現在。東京商工リサーチ公表)によると、店舗事業拠点休業が17社報告されているように、業務停止を最大として、風評被害、売上低下、出張や強制テレワーク等の移動制限等が、例として挙げられます。

 個人のリスクと企業のリスクは分けて整理することが必要になります。


◎企業の健康リスクに対する二次予防

 企業の健康リスクにおける三次予防が発生した場合は、倒産しないように全力を傾けるだけであるので、個別具体的な内容が多く、整理しきれません。

個別対応については、弊社にご相談ください。)

 企業の健康リスク対策としては二次予防を重点的に行う必要があります。また、その方法は、リスクアセスメントシートのうち、発生するおそれがある事態が発生した場合、リスクを最小限とするためにどのような対応を行うべきかを議論しておくことが重要です。また、その議論は法令に基づき衛生委員会で行っておいた方が良いでしょう。さらに、対応の漏れを減らすために、次のポイントでチェックを行うことをお勧めします。

Management:管理ラインが継続できるか/Market:顧客に影響がないか/Money:売上が減少しないか/Mind:過度な不安が発生しないか/Law:法令は遵守できているか/Material:資材・原料等の確保が継続できるか/Machine:機械の稼働に支障はないか/Method:業務に必要な情報の共有は可能か/Information:適切な情報を収集できているか/Man:従業員を安全かつ安定して確保できるか/等


◎企業の健康リスクに対する一次予防

 一次予防は、二次予防で議論した内容に基づき、根本的なリスクの除去、リスク発生の最小化、疾病がもたらす重大事項の発生後、速やかに二次予防につなげる準備体制の構築等を行うことになります。

 個人の健康管理と企業の健康管理の方法は全く異なりますが、日ごろ実施しているリスクアセスメントと予防の考え方は同じです。また、企業側が発信する情報の信頼性の高さは、日ごろの取り組み方に比例します。

 今回の新型コロナウイルスにより、企業がどれだけ健康リスクに脅かされているかが、見える化されたかと思います。引き続き、労働衛生の取組を推進してください。


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