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安全衛生委員会等の質の向上について

安全衛生委員会等は、労働安全衛生法第17条から19条に規定されており、企業側と労働者側ほぼ同数で組織することが義務づけられています。

 職場の安全衛生管理では、法令上、担当者の設置が義務づけられていますが、事業所の安全衛生管理を促進するために、担当者が義務を果たすことに加え、関係従業員も事業所の安全衛生問題(ハザード)について調査審議する機会をもち、その意見を反映することも必要であり、安全衛生委員会等の設置が義務づけられることになっています。

また、昭和47年9月18日付け発基第91号「労働安全衛生法の施行について」において、「安全・衛生委員会の設置の趣旨にかんがみ、同委員会において問題のある事項については、労使が納得の行くまで話し合い、労使の一致した意見に基づいて行動することが望ましいこと。」と示されています。

安全衛生委員会等については、事業所によって活用に大きな開きがあるのが現状であり、法令の開設義務のみをクリアするために、最小限の人数で集まっているだけの事業所もあります。

 しかし、安全衛生委員会は法令に基づく会議であり、事業者の安全衛生に関する責任の一翼を担う役割があることから、以下の点を意識して会議の質を向上させることが良いでしょう。


○企業側と労働者側ほぼ同数で、安全衛生対策に関する一定のゴールを定める会議とする。

安全衛生委員会等は、企業側と労働者側ほぼ同数で調査審議することから、安全衛生の取り組みについて労使の合意点を見極める重要な会議です。労働安全衛生法事業者に対して多くの努力義務が定められているところですが、この努力義務をどこまで果たすかを、企業側と労働者側の調査審議の元で見極めることが、将来的な労務管理上のリスクを低減することに繋がります。


○安全衛生対策と同時に、生産性を向上させる会議とする。

 安全衛生の確保のみを目標とするのであれば、極論として「仕事をしなければ仕事による健康障害は発生しない」ということになりますが、当然、現実的ではありません。

 従って、安全衛生対策とは、安全衛生の確保のみを目的とするのではなく、現場の生産性を維持・向上させているかを検討する必要があり、その検討の場として安全衛生委員会等を活用し、企業側と労働者側で協議すると良いでしょう。


○現場から生産性向上に関する情報を収集する手段としての会議とする。

 企業側と労働者側での調査審議となると、事業者や管理職によっては現場の愚痴を聞きたくないと感じる方もいると思います。しかし、現場の課題を愚痴という形で発散させているだけでは、生産性向上は見込めません。

安全衛生委員会等において、従業員側が課題を出す時に、現場が必要と感じている改善策を同時に提示させることで、現場が感じている生産性向上の案を事業者は入手することができます。


○補足1:従業員の愚痴について

従業員が愚痴を言うことは精神衛生上重要ですので、産業保健スタッフや外部の資源等を活用したメンタルケアとして体制整備を行うことは、従業員の健康管理のために必要です。


○補足2:企業側のみの発案や企業の自主的な労使協議会による安全衛生対策

安全衛生委員会等で調査審議せずに、企業側のみの発案や企業の自主的な労使協議会による安全衛生対策を行う方法もありますが、事故が発生した際に、法令に基づいた調査審議を行っていないという法令上の問題が残ります。

 企業側のみの発案や企業の自主的な労使協議会に基づく安全衛生対策については、安全衛生委員会等で調査審議をした後に、実行することが良いでしょう。


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